触覚の異変において最も警戒すべきなのが、脳梗塞や脳出血といった脳卒中の前兆です。脳の感覚を司る領域(視床や頭頂葉)に血流障害が起きると、触覚情報の処理が正常に行われなくなります。
脳卒中を疑う最大のサインは「触覚の左右差」です。右半身だけ、あるいは左半身だけに感覚の鈍さやしびれが出現している場合、たとえ痛みがなくても直ちに脳神経外科または救急外来を受診しなければなりません。
以下の症状が1つでも当てはまる場合は、一刻を争う事態である可能性があります。
・体の片側(顔、腕、足など)だけ触った感覚が鈍い・力が入らない
・ろれつが回らない、他人の言葉が理解しづらい
・急激な視野の欠損や物が二重に見える感覚がある
・足元がふらつき、まっすぐ歩けない
脳の血管が一時的に詰まる一過性脳虚血発作(TIA)の場合、数分から数時間で触覚の違和感が消えてしまうことがあります。「治ったから大丈夫」と放置すると、数日以内に本格的な脳梗塞を発症するリスクが極めて高いため、症状が消失した場合でも速やかな精密検査が必要です。