申告書の提出を忘れた場合に待ち受けている最大の痛手は、源泉徴収税額への深刻な影響です。公的年金から差し引かれる所得税および復興特別所得税は、本来であれば各種控除(配偶者控除、扶養控除、障害者控除など)を差し引いた後の金額に対して課税されます。しかし、未提出の場合はこれらの控除がすべて「ゼロ」として処理されます。
さらに見落とせないのが基礎的な人的控除の扱いです。申告書を出さないと、本来差し引かれるべき基礎的な控除額(年金受給者の最低保障的な控除)の計算式が不利になり、税率が一律5.105%のまま手取りを直撃します。配偶者や障害のある親族を養っている受給者の場合、2月支給分の年金から数万円単位で受取額が減少し、「年金が急に減らされた」と窓口に駆け込むケースが毎年多発しています。
もし提出が間に合わなかった場合でも、確定申告を行えば払いすぎた税金は還付されます。ただし、還付金が指定口座へ戻ってくるまでには数か月のタイムラグが発生するため、生活資金計画に大きな狂いが生じかねません。