日本の裏社会を象徴する二大勢力といえば、神戸を本拠とする山口組と、関東に確固たる地盤を持つ稲川会だ。両組織が掲げる代紋は、バッジのデザインとしても際立った個性を放っている。
山口組の代紋は、幾何学的で美しい「菱形」を基調とする。この菱形の徽章は、警察の捜査員や対立組織に対しても一目で所属を示す圧倒的な存在感を持っていた。一方、稲川会の代紋は伝統的な家紋の流れを汲む意匠であり、関東任侠の矜持と結束を表現している。これらのバッジは単なる装飾を超え、言葉を介さずに相手を威圧する非言語コミュニケーションのツールとして機能していた。