監督のバイロン・ハワードをはじめとする制作陣が作り上げた『ズートピア』のキャラクターデザインは、アニメーション産業における一つの到達点と言える。実在の動物を徹底的に観察し、その生態系や骨格を活かしつつ、人間の衣服や立ち振る舞いを融合させたデザイン手法は極めて精緻だ。
作画する際は、単なる動物の擬人化ではなく、動物特有の重心やしなやかさが残されている点に着目したい。例えば、ニックが身にまとうラフなシャツの皺(しわ)ひとつにも、彼がキツネとして持つ肉体のしなやかさが投影されている。ディズニー公式の設計思想を読み解くことが、作画のリアリティを高める第一歩となる。