大学業界の内情と労働環境の構造を踏まえた上で、特任教授という働き方は誰にとって有益であり、誰が避けるべき選択肢なのでしょうか。キャリア形成の観点から明確な判断基準を提示します。
特任教授ポストを前向きに選ぶべき人
- 定年を迎えたシニア研究者・元専任教授:これまでの人脈と研究資産をフル活用し、大学運営の重責から解放されて純粋な研究指導や後進育成に専念したい人。
- 確固たる本業を持つ企業人・実務家:会社経営やコンサルティングなどの主たる収入源が確立されており、週に数時間だけ学生に最新知見を還元し、自身のブランディングを高めたい人。
- 特定プロジェクトを率いるトップ研究者:大型の公的資金・民間資金が手元にあり、期限内に明確な成果を出して次の大型オファーにステップアップできる実力派。
慎重になるべき・安易に飛びついてはいけない人
- これから安定した研究者キャリアを目指す30代〜40代前半の研究者:「教授」という甘美な響きに釣られて受託すると、任期満了後に専任ポストが見つからず、キャリアの空白が生まれるリスクがあります。テニュア(無期雇用)ポストを優先すべき時期です。
- 十分な研究予算やラボを持たない環境での特任契約:任期付きであるにもかかわらず、講義や学生対応のコマ数ばかりを過密に詰め込まれ、自身の業績作りが滞ってしまう恐れがあります。