彼女の歩みを語る上で避けて通れないのが、長年にわたる病との闘いである。突如として襲いかかる激しい動悸や呼吸困難、外出さえ困難になるパニック障害を発症したのは、30代の半ばのことだった。
一時は絶望の淵に立たされ、日常生活すらままならない状態が続いたという。当時は病名に対する世間の認知度も低く、周囲の理解を得られにくい環境が苦痛をさらに深めた。しかし、彼女は逃げなかった。適切な治療法を探し求め、病の機序を学び、自らの心身と粘り強く対話を重ねた。数々の試行錯誤を経て症状を克服した経験は、彼女の人生観を根底から塗り替える強い原動力となったのだ。