幼少期の草刈正雄を支え続けたのは、女手一つで彼を育て上げた実の母親だった。昼夜を問わず働きづめで自分を育んでくれた母への感謝は、彼の長いキャリアを支える揺るぎない原動力となっている。貧困のどん底にあった少年時代、スナック菓子やミカンを売り歩いて家計を助けていたというエピソードは、現在のダンディな姿からはにわかに信じがたい。
ハーフであるがゆえに、当時の地方都市では周囲からの好奇の目や偏見に晒される瞬間もあった。それでも母は常に草刈を温かい愛情で包み込み、「胸を張って生きなさい」と背中を押し続けた。孤立感を撥ね退ける母の力強さがあったからこそ、彼はどんな困難にも屈しない芯の強さを手に入れることができたのだ。