境内を進み、二の鳥居へと歩を進めると、訪れる者を圧倒する石造りの巨躯が姿を現します。品川神社、宿鳳山高円寺の境内社(稲荷社)と並び、「東京三鳥居」として神社建築ファンや祈願者の間でも特別視される馬橋稲荷神社 双龍鳥居です。
昭和7年(1932年)に建立されたこの鳥居は、石造りの柱両脇に精緻を極めた龍の彫刻が刻まれています。柱の左側には天へ力強く昇っていく「昇り龍」、右側には天から恵みをもたらす「降り龍」が巻き付くように彫られており、その立体感と躍動感は見る者を惹きつけて離しません。神道彫刻において、龍は雨を司る水神であり、大気中のエネルギーの循環を象徴する聖獣です。
信仰の間では、東京三鳥居 昇り龍 降り龍にまつわる明確な参拝作法が伝承されています。願い事を天の神仏へと届けるために「昇り龍」に触れながら自らの志を念じ、その祈願が成就して恩恵が天から授かることを期して「降り龍」に手を添えて深呼吸する――この一連の所作を行うことで、運気の循環を身体に取り込めるとされています。
実際に得られる馬橋稲荷神社 ご利益は、単なる金運や商売繁盛に留まりません。天高く昇るエネルギーによる「立身出世」「事業発展」、そして降り龍による「家庭円満」「心身の安定」という、動と静のバランスが調和した現実的な生活基盤の向上が実感される点に、多くの信仰者が篤い信頼を寄せる秘密があります。