結論から申し上げますと、100均カラビナを登山やクライミング、人命救助、高所作業に使用することは極めて危険であり絶対に不可能です。店頭に並ぶすべての製品パッケージの裏面には、「登山用ではありません」「人命に関わる用途には使用しないでください」という警告文が明記されています。
ネット上の掲示板やSNSでは「見た目が頑丈そうだからリュックの固定や軽登山なら使えるのでは」といった安易な推測が散見されます。しかし、ここには100均カラビナ耐荷重における重大な落とし穴が存在します。100均で販売されているカラビナの耐荷重は、一般的に1kg〜10kg未満(静止状態)に設計されています。
登山やロープワークで生じる力は、単なる静止重量ではありません。人間が足を滑らせたり落下したりした瞬間に加わる力は「衝撃荷重(動的荷重)」と呼ばれ、体重60kgの人間であっても瞬時に数百kgから1トンを超える衝撃力が発生します。最大でも数kgの静止荷重しか想定していない100均アルミカラビナや亜鉛ダイキャスト製品にそのような衝撃が加われば、ゲート(開閉部)が吹き飛ぶか、本体が瞬時に破断して大事故に直結します。これが100均カラビナ登山NG理由の根底にある物理的な事実です。