無限の回転をその身に受け、次元を移動しても永遠に地面へと引きずり込まれ続ける状態に陥ったヴァレンタイン大統領。その最期は、ジョジョ史上に残る心理戦と名台詞の応酬によって幕を閉じました。
大統領は追い詰められた状況の中、ジョニィに対して「並行世界から生きたジャイロ・ツェペリを連れてくる」という甘美な取引を持ちかけます。家族を愛し、祖国の繁栄のために命を賭してきた自らの半生を語り、「私の心と行動に一点の曇りなし」と真摯に訴えかける大統領の姿に、ジョニィの心も激しく揺れ動きました。
しかし、ジョニィは大統領の覚悟と人間性を認めた上で、ひとつの試練を提示します。それは、落ちているリボルバー拳銃を拾い上げることでした。もし大統領が約束を守る気なら、別世界から持ち込んだ対消滅用の拳銃を隠し持っているはずがないからです。
緊迫した静寂の中、大統領は隠し持っていた拳銃を抜き放ち、ジョニィを撃とうとしました。大統領は最後の瞬間まで自らの信じる「アメリカの正義」のために他者を排除する道を選び、ジョニィの放った一撃によって倒れ、壮絶な戦いに終止符が打たれました。悪役でありながら崇高な信念を貫き通したヴァレンタイン大統領の散り様は、今なお多くの読者を魅了してやみません。