見落とされがちなのがポイズンリムーバー使用期限と保管状態の問題だ。
多くの製品本体には食品のような明確な消費期限は記載されていない。しかし、内部で真空圧を生み出すための「ゴムパッキン(Oリング)」やプラスチックパーツは経年劣化する。長年ファーストエイドポーチに入れっぱなしにしていると、ゴムの硬化やひび割れによって気密性が失われ、いざ本番で使おうとした際に「全く吸い付かない」という致命的な事態に陥る。
使用頻度にかかわらず、購入から3〜5年を目安に本体の買い替えを検討したい。また、毎シーズン登山やキャンプへ出かける前には、自宅で自分の手のひらに当ててピストンを作動させ、しっかり吸着力が持続するかどうかの作動テストを行う習慣をつけておくことが重要だ。
使用後の手入れについても注意が必要となる。体液が付着した吸引カップ部分は水洗いとアルコール消毒を徹底する一方で、本体シリンダー部分は原則として水洗いしてはならない。内部に塗布されている潤滑グリスが流れ落ちると、ピストンの滑りが悪くなり吸引機能が著しく低下するためだ。