世間の記憶に強烈な楔を打ち込んだのは、社会現象となった『半沢直樹』での黒崎駿一役だった。鋭い観察眼と独特すぎるオネエ言葉、そして容赦ない追い詰め方。彼が画面に登場するだけでSNSは爆発的な盛り上がりを見せた。歌舞伎で培った目線の切り方、声の抑揚、そしてタメの作り方が、テレビドラマという小さな画面の中で見事に昇華された瞬間だった。
さらに、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で見せた北条宗時役も記憶に新しい。頼朝を担ぎ上げ、夢半ばで倒れた熱き長男の姿は、視聴者の涙を誘った。コミカルな悪役から悲劇の英雄まで、彼の手にかかればどんな人物も血の通った人間として息づき始める。