1980年代末、乙女塾から誕生した伝説的アイドルグループ「ribbon」。その中心メンバーとして弾けるような笑顔を届けていた少女が、これほどまでに深い影と感情のひだを表現する女優になると、当時の誰が予測できただろうか。アイドル解散後、多くのタレントが模索を続ける中で、彼女は舞台や単発ドラマの現場に身を投げ込み、現場の泥臭い摩擦の中で演技の骨格を鍛え上げていった。
転機となったのは2000年代の作品群だ。可愛らしさを武器にするのではなく、人間の愚かさや狂気、惨めささえも素顔で受け止める覚悟を見せたことで、映画監督たちの制作意欲を強く刺激することになった。型にはまったアイドル出身という枠組みは、本人の静かな執念によって見事に打ち砕かれたのだ。