耳鼻咽喉科専門医が現場で最も警鐘を鳴らすのが、耳の奥が痒いからと綿棒や耳かきで執拗に擦る自傷的行為だ。アレルギーによる痒みは外耳道ではなく耳管周辺の粘膜で起きているため、外からいくら擦っても根本的な痒みは引かない。それどころか、傷ついた外耳道から細菌が入り込み、外耳炎を併発して激痛へと発展する悲惨なケースが後を絶たない。
医療従事者専用サイトm3.comの医師向けアンケート調査でも、花粉症患者の誤ったセルフ耳抜き(バルサルバ法)による鼓膜損傷や耳管粘膜の悪化が問題視されている。詰まりを解消しようと力任せに鼻をつまんで息を吹き込む行為は、中耳腔へ強烈な圧力をかけ、浸出液の排出を阻害する逆効果しかもたらさない。