鞍馬寺の境内を抜けて山を越え、水の神を祀る貴船神社へと歩く「鞍馬・貴船縦走ルート」は、京都でも屈指の人気を誇るハイキングコースです。鞍馬側から登り、貴船側へ下る片道コースが一般的で、歩行距離は約3.5キロメートル、全体の所要時間は見学時間を含めて約2時間から2時間半が目安となります。
本殿金堂の奥から始まる奥の院参道は、一歩足を踏み入れると静寂に包まれた原生林へと雰囲気が一変します。特に有名なのが「木の根道(きのねみち)」です。地表近くの岩盤が非常に硬いために杉の根が地中深く潜れず、地表を縦横無尽に這うように張り巡らされた自然の造形美が広がります。牛若丸が跳躍の修行をしたと伝わるこの道は、踏み荒らしによる根の損傷を防ぐため、根を踏まないよう足元に配慮しながら歩行します。
さらに奥へ進むと、魔王尊が鎮座する聖地「奥の院魔王殿」に到着します。森閑とした杉木立の中に佇む社殿の空気は圧倒的で、参拝者を包み込むような静けさがあります。魔王殿を過ぎると急な下り坂が続き、貴船川のせせらぎが聞こえてくると西門に到着します。橋を渡ればすぐに貴船神社の参道へと接続します。
舗装されていない山道や急な階段が多いため、滑りにくいスニーカーやトレッキングシューズ、動きやすい服装での挑戦が必須です。特に雨の翌日は木の根や岩場が滑りやすいため、十分な注意を払ってください。