インターネットの検索窓に「ハシドラッグ」と入力すると、関連ワードに「閉店」「倒産」といった言葉が並びます。こうした不穏な噂が急速に拡散した背景には、ハシドラッグ閉店理由を巡る複数の実店舗の同時期における営業終了がありました。
長年営業を続けていたロードサイド店舗が相次いでシャッターを下ろしたことで、近隣住民の間で「会社そのものが立ち行かなくなったのではないか」という憶測が独り歩きしました。しかし、商業登記や関係先への取材を照らし合わせると、ハシドラッグ倒産の真相は経営破綻などではなく、激変する地方ドラッグストア市場を生き残るための「スクラップ&ビルド(不採算店舗の閉鎖と優良店への資源集中)」であることが分かります。
東北地方のドラッグストア業界は現在、苛烈を極める戦国時代に突入しています。かつては地域ごとの棲み分けが成立していましたが、近年は資本力に勝る全国規模のディスカウント型ドラッグストアや24時間営業チェーンが福島県内の主要幹線道路沿いへ怒涛の出店攻勢を仕掛けています。競合店との距離がわずか数百メートルという過密出店エリアにおいて、老朽化した小規模店舗を維持し続けることは、営業利益を著しく圧迫する要因になり得ます。
ハシドラッグが下した決断は、全滅を避けるための防衛的撤退です。採算性の落ちた拠点を整理し、調剤薬局の併設や駐車場動線に優れた主力店舗へ人員と在庫を集中させる構造改革を進めた結果、店舗閉鎖の事実だけが切り取られて「倒産危機」という誤認情報へ変貌を遂げてしまったのが噂の実態です。