本作の音楽面をめぐっては、ネット上でいくつかの混同や誤認も見受けられます。正確な事実を整理しておくことは、作品をより深く味わう上で欠かせません。
「泣かせる挿入歌がある」という言説の誤解
検索クエリや掲示板などで「テセウスの船 挿入歌」という単語が頻出しますが、実際には本作に独立したボーカル入りの挿入歌は存在しません。劇中で使用されたのは菅野祐悟が手掛けた劇伴(インストゥルメンタル)と、Uruの「あなたがいることで」のみです。劇伴の不穏なストリングスと、主題歌の圧倒的な叙情詩のメリハリがあまりに強烈だったため、「別の歌が挿入歌として使われていたのではないか」と記憶違いを起こす視聴者が続出した背景があります。
ミュージックビデオ(MV)を彩る実力派キャスト
「あなたがいることで」の公式MVに出演し、母と娘の繊細な心の揺れ動きを見事に演じ切ったのは、実力派若手女優の小野莉奈です。ドラマ『中学聖日記』などで頭角を現した彼女が、反発しながらも互いを深く思いやる娘役を熱演。映画監督・三石直和が描いたショートフィルムのような美しい映像世界は、楽曲の普遍的な親子愛をさらに立体的なものへと昇華させました。