炭団の正しい読み方は「たどん」です。文字通り「炭の団子(だんご)」を意味し、炭を丸く固めた形状そのものが名前の由来となっています。平安時代の古文書にも原型とみられる記述が存在しますが、庶民の日常燃料として広く定着したのは江戸時代前期のことです。
炭団の最大の特徴は、その主原料が「炭粉(すみのこ・すみこ)」である点にあります。木炭を窯から出したり運搬・切断したりする過程で、必ず大量の炭の粉や小さな破片が発生します。そのままでは火鉢に入れてもすぐに燃え尽きてしまったり、風で飛び散ったりして燃料として使えません。そこで、この炭粉にフノリ(布海苔)やワカメなどの海藻を煮詰めた粘液、あるいはデンプン糊をつなぎ(結着剤)として加え、直径4〜6センチメートルほどの球状に手作業で丸め、天日干しで完全に乾燥させたものが炭団です。
本来であれば廃棄されるはずの炭粉を有効活用した炭団は、資源を徹底的に使い切る江戸庶民のエコ精神が生んだ知恵の結晶と言えます。