現在、館内で最も熱気と活気を生み出しているのが、2階に位置するフードコート「HARA8(はらっぱ)」です。商業施設の常識では、飲食街は最上階に配置して買い物客を上の階へ引き上げる「シャワー効果」を狙うのが定石でした。しかしマルイファミリー溝口は、JRと東急の両改札から歩行者デッキを通って直結する2階エントランス直近に大規模フードコートを開設するという極めて野心的なフロア戦略を採用しました。
現地を観察すると、この設計思想の意図が実によく分かります。一般的なショッピングモールのフードコートと異なり、HARA8はファミリー向けの座席だけでなく、電源席を備えたカウンター席や、夜間のちょい飲みに対応したバルスタイルの店舗を数多く配置しています。SNSの口コミを検証しても「仕事帰りに1人でクラフトビールと餃子をサクッと楽しめる」「カフェ感覚で作業しながらテイクアウトできる」と、単身層やビジネスパーソンの支持が非常に厚いのが特徴です。
混雑状況のリアルな傾向としては、平日12:00〜13:15のランチピークおよび土日祝日の11:30〜14:30、17:30〜19:30が座席争奪戦となります。特に休日の昼時はファミリー層でほぼ満席となるため、混雑を避けるなら11時前の入店か、15時以降のアイドルタイムを狙うのが賢明です。一方、落ち着いて会食や家族の記念日を楽しみたい層には、10階の本格レストラン街が選ばれており、カジュアルなHARA8とオーセンティックな10階という見事な棲み分けが成立しています。