下請法改正に関するネット上の反応を分析すると、いくつかの誤った情報が拡散されていることがわかる。ここでは、編集部が確認した代表的な誤解とその真偽を検証する。
誤解1:「下請法改正は大企業だけの問題」
誤りである。前述の通り、実質的優越地位の概念が導入されたことで、スタートアップや中小企業も発注者側として規制対象になり得る。実際に、2026年度の公表事案には従業員数30人規模の企業も含まれている。
誤解2:「フリーランスは全員自動的に保護される」
これも誤り。保護対象となるには「特定受託事業者」の要件を満たす必要があり、単発の取引や対等な立場での共同事業は対象外となる。フリーランス自身が自分の働き方の分類を理解しておく必要がある。
誤解3:「違反しても勧告で済む」
改正前の認識。2026年現在、違反認定時点で公表され、悪質な場合は刑事告発もあり得る。さらに、繰り返し違反した企業には課徴金が科されるため、「とりあえず従っておけばいい」という姿勢は通用しない。
誤解4:「下請法改正は中小企業に不利」
これも一面的な見方だ。確かに発注側の負担は増えるが、中小企業も別の取引では受注側になる。取引の公正化は全体の取引コストを下げ、長期的には中小企業の収益性向上に寄与するというのが、経済産業省の委託調査でも示されている。