愛猫が水を吐いた際、最初に見極めるべきは「吐出(食道からの逆流)」なのか「真の嘔吐(胃や腸からの排出)」なのかという点です。飲んだ直後に腹筋を使わずサラサラと水を戻す場合は食道炎や早飲みによる吐出が多く、腹部を大きく波打たせて苦しそうに吐く場合は中枢神経や内臓器の異常による嘔吐に分類されます。
猫が透明な液体や泡を吐く場合、その液体の主成分は胃液や唾液、そして直前に摂取した水分です。胃が空っぽの状態で胃酸が過剰に分泌されると白く泡立った液体を吐くことがあり、空腹時間が長すぎることによる胃炎も考えられます。しかし、猫が水を飲んですぐ吐く動作を繰り返す背景には、次のような重大な病態が隠れているケースが少なくありません。
特に警戒すべきは、加齢とともに発症率が跳ね上がる猫の慢性腎不全による嘔吐です。腎機能が低下して老廃物を尿中に排泄できなくなると、体内に毒素が蓄積する「尿毒症」を引き起こし、持続的な吐き気と胃粘膜の荒れを誘発します。その結果、「激しい口渇感から水を大量に飲むが、胃が受けつけず吐く」という典型的な悪循環に陥るのです。
さらに、若齢の活発な猫に多発するのが異物誤飲による嘔吐です。紐やウレタンマットの破片、おもちゃの破片などが消化管に詰まる完全閉塞・不完全閉塞を起こすと、水分すら通過できなくなり、飲んだ水が逆流して激しく噴出します。これに加え、細菌やウイルス感染、急激なフード変更などに起因する急性胃腸炎の症状でも、胃粘膜の激しい炎症によって水分を一切保持できなくなる事態が発生します。