モデルやレースクイーンとして脚光を浴びる一方で、彼女の人生は決して平坦な道ばかりではありませんでした。生活の糧を得るため、そして自らの視野を広げるために飛び込んだのが、東京・銀座や六本木の高級クラブ業界でした。銀座ホステスとして夜の街の頂点に身を置き、政財界の重鎮から裏社会に通じる人物まで、多種多様な人間模様を間近で観察した経験が、のちの創作活動における最大の財産となります。
華やかな夜の顔と、生々しい人間の欲望渦巻く現場。その両面を冷徹かつ情熱的な視線で見つめ続けた彼女は、自らの体験を文章へと落とし込み始めます。そして1997年、小説『熱帯植物園』で念願の作家デビューを果たしました。その赤裸々で生々しい筆致、痛快な人間描写は文壇内外に大きな衝撃を与え、一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たします。
その後も『血と肉』や『息子の目、母の心』などの自伝的作品や鋭いエッセイを次々と発表。モデルやレースクイーン、夜職の経験を隠すことなく堂々と自らの強みへと変えていく生き方は、同世代の女性たちからも熱狂的な支持を集めることとなりました。