インターネット上の質問コミュニティやSNS上では、「手順通りにやっているのにパソコンがiPhoneを全く認識しない」「エラーが出て初期化が途中で止まる」といった悲鳴に似た相談が絶えません。現場の検証から浮き彫りになったトラブルの主要因は、ソフトウェアの不具合ではなく物理環境の軽視にあります。
最も多い盲点がPC側のUSBポートの電力不足とUSBハブの経由です。ノートパソコンのUSBハブやキーボード脇の拡張ポートを経由して接続していると、復元プロセス中の大容量データ転送時に電圧降下を起こし、通信が瞬断されます。復元作業時は、必ずパソコン本体のルートポート(マザーボード直結のポート)に直接挿し込んでください。
また、Windows環境特有のトラブルとして「Apple Mobile Device USB Driver」の競合や停止が挙げられます。デバイスマネージャーを開き、「ユニバーサル シリアル バス デバイス」または「ポータブル デバイス」の項目に警告マーク(!)が付いていないか確認が必要です。セキュリティソフトやVPNクライアントがAppleの認証サーバーとの通信をブロックしているケースも多いため、初期化処理中は一時的にファイアウォールを無効化することが推奨されます。
もしケーブルを変え、ポートを変え、異なるPCで試しても復元途中に「エラー4013」「エラー9」が再発する場合、それはソフトウェアの論理障害ではなく、本体内部のロジックボード(NANDフラッシュメモリや電源管理IC)の物理的なハードウェア故障である可能性が極めて濃厚です。この段階に達した端末は、自力でのソフトウェア復旧は不可能です。