「子どもが帰ってきてから、暗い部屋で一人で震えている」。都内の中学校に通う娘を持つ母親は、そう声を落とす。長崎への修学旅行から戻った直後から、娘は悪夢にうなされるようになったという。こうした事例は決して珍しくない。全国の小中学校で、事前学習の不足や個人の感受性の個体差を考慮しない一律の「見学」が見直され始めている。
旅行会社や学校側も対策に乗り出している。事前アンケートでパニック障害や極度の怖がりの傾向がある生徒を把握し、別ルートを用意するケースも増えた。しかし、それは「平和教育からの逃避」ではないかという批判も根強く、現場の教師たちは板挟みにあっているのが現状だ。