カレンズを語る上で絶対に外せない存在が、名物「フィセルバター」です。来店客のトレーを見ると、ほぼ100%に近い確率でこの細長いフランスパンが1本、あるいは複数本載せられている光景を目にします。
「フィセル」とはフランス語で「紐(ひも)」を意味する細身のバゲットのこと。カレンズのフィセルバターは、外側はパリッと香ばしく、中はもっちりとした絶妙なクラスト(皮)とクラム(中身)のバランスを持つフランスパンに深い切れ目を入れ、特製のバターフィリングを惜しみなく染み込ませています。ひと口かじると、パンの熱でじゅわっと溶け出した濃厚なバターのコクと、絶妙な塩味が口いっぱいに広がり、小麦の豊かな甘みと完璧なハーモニーを奏でます。
このフィセルバターを最高峰の状態で味わうための最大の鍵が「カレンズ 焼き上がり時間」です。1日に複数回焼き上げられますが、厨房から「フィセルバターが焼き上がりました!」というスタッフの声とともに鐘が鳴らされると、店内にいる買い物客が一斉に焼き立てコーナーへと集まります。冷めてもリベイク(トースターでの再加熱)によって驚くほど美味しさが蘇りますが、焼き立て直後の“バターが滴る瞬間”の感動は別格です。