開脚後転に挑戦して失敗する際、最も多く見られる現象が「後頭部や背中で回転が完全にストップし、マットに押しつぶされる」という状態です。この開脚後転ができない原因を突き詰めると、身体の硬さではなく、運動力学に基づいた準備動作のミスに起因しています。
最大の盲点となっているのが、回転初期における開脚後転の手のつき方です。技が成功しない人の約8割は、手が肩幅よりも外側に開いていたり、指先が進行方向(後ろ)ではなく外側や内側を向いてしまっています。手が正しい位置にセットされていないと、体重が首や後頭部にダイレクトにかかり、「開脚後転で首が痛い」という危険なトラブルを引き起こします。
正しい手のつき方は、「両手を耳の真横にぴったり添え、指先を自分の肩側(つま先方向)へ向けて手のひら全体をマットに密着させる」ことです。肘が開いてしまうとマットを真下に押す突っ張り棒(支持力)が働かないため、回転の遠心力を手のひらで受け止め、マットを強く押し返すスペースが作れません。
倒れる勢いを殺さず、頭部がマットを通過するための空間を腕の力で確保できるかどうかが、最初の成否を分ける分水嶺となります。