日韓双方で絶大な知名度を誇るビッグタイトルのリメイクだけに、公開後の反響は賛否両論を巻き込みながらも極めて高い熱量を保っています。大手レビューサイト「Filmarks」や韓国のオンラインコミュニティ「theqoo」「DCインサイド」に寄せられたリアルな声を分析すると、評価の分岐点が明確に浮き彫りになってきました。
まず圧倒的な絶賛を集めているのが、「主演パク・ミニョンの驚異的な演技レンジ」です。従来の彼女のトレードマークであった清楚で完璧なキャリアウーマン像を完全にかなぐり捨て、下品に笑い、がさつに飯を食らい、突如として冷徹な知性を見せるその変幻自在ぶりには、本国メディアの記者陣からも「パク・ミニョンのキャリアハイを更新する怪演」と高い評価が下されました。パク・ヒスンが見せる哀愁漂う大人の色気と、チュ・ジョンヒョクの卓越したリアクション芸も、日本のファンから「長澤・東出・小日向の黄金トリオに匹敵するバランスの良さ」と好意的に受け止められています。
一方で、オリジナル版を深く愛するコアなファンからは、次のような冷静な指摘や辛口の意見も散見されます。
「映像のクオリティや役者の演技力は文句なしに凄い。ただ、古沢脚本特有の『からっとした皮肉と洒脱なテンポ感』が好きだった身からすると、復讐劇としての湿り気やシリアスな暴力描写がやや胃もたれする」(30代女性・ドラマライター)
「日本版は『詐欺師も悪党もみんな最後はどこか憎めない』という童話のような余白があったが、韓国版の悪役は骨の髄まで邪悪。カタルシスは強いが、コメディとしての気楽さは薄れている」(40代男性・原作ファン)
制作関係者の証言によると、韓国の制作チームは「日本のコメディのリズムをそのまま直訳しても、現地の視聴者には響かない」という判断のもと、あえて韓国社会の現実的な格差問題や不正腐敗をストーリーの根底に据える道を選んだといいます。痛快なコンゲームとしての骨組みを維持しながら、韓国ドラマファンが求める濃厚なヒューマンドラマへと再構築した点こそが、単なる物真似に終わらない独自の評価を獲得している最大の理由です。