ネット上の情報やSNSの口コミを精査すると、一部に事実と異なるバイアスや見落とされがちな盲点が存在します。現場検証で見えてきた「3つの誤解」を是正します。
誤解1:「小説を全巻読んでいないと退屈する」という先入観
「司馬遼太郎の全8巻を読破していないと楽しめないのではないか」という懸念は、完全な杞憂です。ミュージアムのキュレーションは、単なる原作の解説本ではなく「明治という激動期に、個々人がどう志を持ったか」という普遍的な人間ドラマに焦点を当てています。むしろ、活字だけではイメージしづらかった日露戦争時の地図や世界情勢の力学、当時の松山の生活風景が視覚的に補完されるため、ここを訪れた後に初めて原作を手に取る旅行者も少なくありません。
誤解2:「有料エリアに入らないと建物の価値が分からない」という思い込み
2階フロアは入館チケットなしで自由に立ち入れる「交流エリア」となっています。ここにはライブラリーがあり、司馬作品をはじめとする近代史や松山関連の書籍が閲覧できるほか、前述のカフェが併設されています。コンクリートの質感や三角形の吹き抜け空間の一部は無料ゾーンからも体感できるため、移動のスキマ時間に「建築スナップとカフェ利用のみ」で立ち寄るのも、旅慣れたトラベラーの賢い選択肢です。
誤解3:「専用駐車場がある」という錯覚によるタイムロス
敷地入口のスロープを見かけてそのまま車で進入しようとするレンタカーが多く見受けられますが、一般自家用車の進入・駐車は厳禁です。周辺の一番町・大街道エリアは一方通行も多く、休日はコインパーキングの満車率も跳ね上がります。松山市内観光は道後温泉や松山城を含め、伊予鉄道の市内電車(路面電車)の利便性が極めて高いため、公共交通機関を主軸に据えるのが最もストレスのない移動手法です。