東京・赤羽や新橋の路地裏。赤提灯の下でシニア世代が静かに傾けていたジョッキが、今や渋谷や下北沢の最先端のバーで主役に躍り出ている。この地殻変動の背景には、若者たちの「ホンモノ志向」がある。人工的に作られたフレーバーサワーに飽きた世代にとって、ホッピーの持つ独特の麦芽の香りと、自分でアルコール度数をコントロールできる自由度は新鮮そのものだ。
「自分で作る」という体験価値も無視できない。ジョッキに注がれた焼酎(ナカ)に、冷えたホッピー(ソト)を勢いよく注ぎ入れる。この一連の儀式が、SNSで映えるコンテンツとして機能しているのだ。スマートフォンの画面越しに泡立つ黄金色の液体は、彼らにとって新しい時代のストリートカルチャーそのものである。