インターネット上の検索エンジンで「ジャパネットクルーズ 料金」と入力すると、サジェストに「値上げ」「高い」といった不穏な単語が並びます。しかし、2026年に発表された公式料金表を精緻に検証すると、実態は「単純な便乗値上げ」とは大きく異なっていることが浮き彫りになります。
主軸となるMSCベリッシマによる9泊10日の日本一周クルーズにおいて、最もリーズナブルな内側キャビン 費用は大人2名1室利用時で1名あたり249,800円から。1泊換算で約2万7,000円という水準は、過去数年間のベース価格とほぼ同等です。世界的な燃料油高騰や港湾使用料の引き上げが続く過酷な情勢下において、この価格帯をキープしている点には驚きを禁じ得ません。
ではなぜ「値上げされた」という噂がネット上を駆け巡るのでしょうか。取材班がその背景を探ると、2つの決定的な要因が浮かび上がってきました。1つ目は、パンフレットの最前面に記載される旅行代金本体とは別に、港湾諸税および国際観光旅客税(約32,000円)が必ず加算される点です。これにより、最安プランであっても最終的な支払総額は約28万2,000円前後となります。この支払額を見た初参加者が「広告より高い」と感じ、ネット上で拡散した側面があります。
2つ目は、パンフレット配布直後に最安の内側キャビンが瞬時に完売し、結果として高価格帯の部屋しか選べなくなる現象です。後述する予約構造の偏りが、体感としての「値上げ感」を生み出しているのです。