「スギ花粉の飛散マップが青色(少ない)を示しているのに、なぜティッシュが手放せないのか」という疑問を抱く人は少なくありません。まず整理すべきは、春先の花粉症と5月花粉症の症状と特徴における根本的な抗原(アレルゲン)の違いです。
第1の要因として、ヒノキ花粉はいつまで続くかという飛散サイクルのタイムラグが挙げられます。日本気象協会や林野庁のモニタリングデータによると、スギ花粉のピークはおおむね3月下旬から4月上旬に終息へと向かいますが、ヒノキ花粉はスギから約半月遅れてピークを迎え、例年5月上旬から中旬にかけて微量ながら確実に大気中を浮遊し続けます。特にスギ・ヒノキ双方に交差反応を示す重症アレルギー体質の場合、微弱な飛散量であっても過敏になった粘膜が反応し、症状が沈静化しません。
そして第2の、かつ最大の要因が、初夏に主役となる「草本類花粉」、すなわちイネ科植物へのバトンタッチです。2026年最新の花粉飛散傾向を分析すると、暖冬傾向に伴う早春の気温上昇と4月以降の日照条件が重なった影響で、全国的に野草の成長サイクルが例年より前倒しで推移しています。森林地帯から風に乗って数十キロも飛散する樹木花粉とは異なり、5月の主役は私たちの足元、すなわち日常の生活道路や河川敷からダイレクトに飛来します。