テレビ番組やアニメのロケ地を訪れる「聖地巡礼」は、地方創生やメディアツーリズムの起爆剤として定着しました。しかし、そこには常に「公開された観光地」と「撮影のために一時的に管理されている私有地」の境界線(バウンダリー)を巡る深刻な倫理的摩擦が潜んでいます。
かつて昭和の時代、映画やテレビのロケ地にはファンが殺到し、現地の平穏を脅かす「観光公害」が度々問題視されました。DASH島においても、興味本位でチャーター船を仕立てて島へ接近しようとする迷惑行為が一部で懸念されてきました。知的好奇心を満たすことと、現地への不法侵入や権利侵害は明確に峻別されなければなりません。
避けるべきNG行動
地元漁師へ法外な報酬を持ちかけての接岸強要、プレジャーボートやシーカヤックを用いた無断上陸、ドローンによる敷地内への低空侵入飛行は、法的手続きを取られる対象となります。また、有人島である近隣の二神島などに押し寄せ、島民に迷惑をかける行為も厳に慎むべきです。
おすすめできる健全な鑑賞法
DASH島のロマンを肌で感じたい場合、合法かつ周囲に迷惑をかけない唯一のアプローチは、「松山港(三津浜)から忽那諸島(中島・二神島方面)を結ぶ定期フェリーの航路から遠望する」ことです。
中島汽船などが運航する公共の定期船デッキからは、気象条件が良い日であれば、伊予灘の水平線上に浮かぶ由利島の雄大な山影をはっきりと肉眼で捉えることができます。手元の地図アプリで現在地と島の座標を照合しながら、「あの山のふもとであの開拓が行われているのか」と海風の中で思いを馳せることこそ、大人のファンにふさわしい、最も洗練された楽しみ方です。