多くの読者が最も気にするあらすじと、クライマックスの結末ネタバレを詳しく解説します。天才サッカー選手の兄・健一の背中を追い続けながらも、自らの才能の限界に絶望してサッカーを辞めた高校1年生の神谷新二。失意の中にいた新二は、神奈川県立春野台高校への入学を機に、中学時代に天才スプリンターとして名を馳せながらも陸上から離れていた幼馴染の一ノ瀬連と再会を果たします。
連に誘われる形で陸上部に入部した新二は、短距離ブロックの選手としてゼロからスタートを切ります。突出したスプリントセンスを持つ連に対する強烈な劣等感や焦燥感に苛まれながらも、元インターハイ選手である名物顧問・三輪先生(通称:おっちゃん)の論理的かつ情熱的な指導、長距離ブロックでひたむきに走るクラスメイト・谷口若菜との不器用な心の交流を通じて、新二は自らの走りを磨き上げていきます。
物語の集大成となる高校3年の夏、舞台はインターハイへの切符をかけた激戦区・南関東大会へと進みます。個人種目の100mや200mで強豪校の厚い壁に跳ね返され、悔し涙を呑んだ新二たち春野台高校陸上部。彼らがすべての情熱を注ぎ込んだのが、男子4×100mリレー(通称:4継)でした。
迎えた決勝戦、春野台のバトンはアンカーの連へと託されます。新二から連へと渡されたバトンパスは、コンマ数秒の狂いもない完璧なテイクオーバーゾーンの駆け引きを実現。天才と凡才という垣根を越え、魂のバトンを受け取った連は猛追を見せ、強豪私立を相手に劇的なゴールを駆け抜けます。結果は全国大会(インターハイ)出場決定。個人としての限界を味わいながらも、仲間と一つになって「一瞬の風」となった新二たちの青春は、読者の胸を打つ最高のカタルシスとともに幕を閉じます。