ネット上のコミュニティ(5ちゃんねるの過去ログやYahoo!知恵袋など)を精査すると、「いや、絶対に一度だけ放送されたがすぐにお蔵入りになった」「収録したが宗教団体からの抗議でお蔵入りになった回がある」という書き込みが定期的に散見されます。
この「お蔵入り説」が真実味を帯びて語られるようになった契機は、1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件です。事件直後から警察の強制捜査が教団施設に入り、一連の凶悪犯罪が白日の下に晒されると、テレビ各局は自局の過去映像の総点検を迫られました。カルト教団を面白おかしく取り上げ、広告塔の役割を果たしてしまった過去の番組アーカイブは、放送局にとって最大の汚点となったのです。
民放キー局のアーカイブ管理担当者は、後にメディア論の取材に対して次のように述懐しています。「1995年春以降、麻原や教団幹部が少しでも映っているバラエティ番組のマスターテープには『利用禁止』『閲覧制限』の赤ラベルが貼られ、再放送や総集編での二次利用は完全に封印された」。
つまり、「お蔵入りになった」という事実自体は存在するものの、それはとんねるずとの共演回ではなく、他番組の過去映像や、とんねるずが教団をネタにした過去のパロディコントの再放送禁止措置を指していたのです。事件の重大性に鑑み、教団を連想させるギャグ映像はすべて自主規制の対象となり、二次配信やソフト化からも完全に抹消されました。この「二度と見ることができなくなった事実」が、ネット時代になって「幻の共演回が封印された」という話へとすり替わったのが真相です。