ワンコインランチが過去の遺物となって久しい。2026年現在の都心部におけるランチ平均単価は1,300円から1,600円帯へとシフトした。だが、客足が鈍っているわけではない。むしろ人気店には連日長蛇の列ができている。
消費者が求めているのは、単なる「満腹」ではなく「納得感」だ。例えば、老舗和食店が昼限定で提供する「炭火焼き魚と自家製ぬか漬けの特選御膳」は1,800円ながら連日完売する。店内を覗くと、若い会社員からシニア層までが静かに箸を進めている。「安さだけで選んだ食事は午後のパフォーマンスを下げる。少し高くても、素材が確かで職人が作る料理を選びたい」と語る30代IT企業社員の声が象徴的だ。価格の上昇に伴い、外食体験そのものの質が問われている。