日本国内で営業しているインド料理店の看板を掲げる店舗のうち、推定で7割以上はネパール人経営者やネパール人シェフによる、いわゆる「インネパ(インド・ネパール)系」と呼ばれる店舗です。このインネパ店が全国津々浦々に広がったことこそが、ナン食べ放題文化を日本の外食産業に定着させた原動力といえます。
ネパールの主食は本来、米や豆スープを中心とした「ダルバート」ですが、日本人に馴染み深く高級感のあった「タンドール窯で焼く北インドスタイルのナンとリッチなカレー」を看板商品として採用しました。その際、後発の参入組が日本の外食市場で生き残るためのキラーコンテンツとして導入したのが「ナンの巨大化」と「おかわり無料」でした。
インネパ店は独自の強固なコミュニティネットワークを持っており、スパイスやハラール食材の一括共同仕入れ、タンドール窯の調達、スタッフのビザ取得支援までを効率的に共有しています。また、家族や親族を中心とした少人数オペレーションにより固定費を限界まで抑えているケースが多く、低価格でのナン食べ放題を提供しても十分な利益を確保できる強靭な経営基盤が作られています。
さらに利益構造の面では、「ドリンク類やトッピングの追加注文」が大きな利益源となっています。スパイシーなカレーを食べ進めるとラッシーやチャイ、ビールなどの注文が入りやすく、これらのドリンク類は原価率が低いため、セット全体の粗利益を底上げする役割を果たしています。