日本国内で広く定着している「ニューハーフ」という単語ですが、実は海外発祥の英語ではなく、1980年頃に誕生した和製英語です。その名付け親として知られているのが、国民的ロックバンド「サザンオールスターズ」のフロントマンである桑田佳祐氏でした。
発祥の舞台となったのは、大阪・ミナミにある伝説的なショーパブ「ベティのマヨネーズ」。当時、店を訪れた桑田氏が、オーナーのベティさんに対して「男と女のハーフのような新しい存在」という意味を込めて「ニューハーフ」と呼んだことが直接のきっかけとされています。このエピソードがラジオ番組やテレビ番組『11PM』などで紹介されたことで爆発的に認知が拡大し、それまで使われていた「ブルーボーイ」や「おかま」といった古い呼び方に代わる、ファッショナブルで明るいエンタメ用語として社会に浸透していきました。
1980年代初頭のメディアは、この新しい呼称を「従来の暗いアンダーグラウンド感を払拭した、ポジティブで華やかな新ジャンル」として大々的にフィーチャー。歌舞伎町や六本木などの歓楽街を中心に、一大エンターテインメント産業へと押し上げる原動力となりました。