屋台や食堂で親しまれていた焼きそばを、日本全国の家庭の食卓へ一気に普及させた立役者が、日清食品の創業者である安藤百福だ。彼が手がけた世界初のインスタント焼きそばの発売は、日本の外食産業および食品加工技術の歴史における巨大な転換点となった。
専用の鉄板や職人の技がなくても、お湯を注ぐだけ、あるいはフライパン一つで再現できる手軽さは、高度経済成長期の忙しい日本人のライフスタイルに完璧にフィットした。店舗で食べるご当地の味と、家庭で手軽に楽しむインスタント味。この二輪構造が完成したことで、焼きそばは揺るぎない国民食の地位を確立したのだ。