より高度な循環動態モニタリングが必要とされる場面では、スワンガンツカテーテル(肺動脈カテーテル:PAC)が用いられます。中心静脈カテーテルが「右心房圧(右室前負荷)」のみを測定するのに対し、スワンガンツカテーテルは右心房を通過して肺動脈まで進め、肺動脈圧(PAP)、肺動脈楔入圧(PAWP:左室前負荷の指標)、および心拍出量(CO)を直接測定できる点が決定的な違いです。
左心不全を合併している病態では、右心系(CVP)の圧上昇が遅れて現れるケースがあるため、左室機能の評価にはPAWPや心エコー図検査との併用が不可欠となります。
看護師が押さえるべき日常管理の要点
- ゼロ点合わせの徹底:体位変換時や検査後の再校正をルーチン化する。
- 圧ラインのフラッシュと気泡除去:ダンピング(波形の減衰)や加圧バッグの圧低下(300mmHg維持)を常時監視する。
- カテーテル感染防止(CLABSI対策):刺入部の発赤・腫脹・浸出液の観察、ドレッシング材の適切な交換頻度を守る。
- 輸液負荷テスト時の連動評価:輸液投与に伴いCVPが急激に上昇して血圧や尿量が変わらない場合、心機能の限界(過負荷)を疑い、即座に医師へ報告する。