作画初心者が3点透視図法に挑む際、最も陥りやすい失敗が「オブジェクトがゴムのように引き伸ばされたような歪み」です。定規を使って正確に消失点へ線を引いているにもかかわらず絵が崩壊する理由は、「人間の自然な視野角(コーン・オブ・ビジョン)」を無視して作画領域の中に消失点を配置してしまうことにあります。
人間が違和感なく一度に認識できる自然な視野は、中心からおよそ60度の範囲に限られます。この視野角を超えて消失点同士の距離を極端に近づけると、広角レンズの端のような強烈な歪みが生じます。
背景イラストのコツとして覚えておきたいのは、「左右の消失点だけでなく、上下の第3消失点もキャンバスの外側へ大きく離す」という原則です。特にイラストのキャンバス枠内にすべての消失点を収めようとすると、パースが極端にキツくなり、建造物が三角形のように尖ってしまいます。自然な空間を描くためには、画面の2倍から3倍以上外側に消失点を打つ意識が欠かせません。