1983年、TBSテレビの金曜ドラマ枠で放送が始まるやいなや、全国の茶の間に大きな波紋が広がった。劇中で繰り広げられたのは、それまでのホームドラマの常識を覆す複雑でリアルな愛憎劇。平穏に見える日常のすぐ足元に潜む孤独や渇望を、ドラマは容赦なく暴き出した。
この希代の名作を生み出したのが、脚本家の鎌田敏夫だ。彼の描く台詞はどこまでも洒脱でありながら、人間の泥臭い本音を突きつけてくる。郊外の一戸建てに住む一見恵まれた夫婦たちが、ふとしたきっかけで一線を越えていくスリリングな展開。単なる不倫劇の枠にとどまらない濃厚な心理描写こそが、視聴者の心を捉えて離さなかった理由だ。