ビギナーにとって最大の関門は、本物と偽物の見極めや価格の妥当性だろう。業界の適正な取引を支える日本骨董美術品商業協同組合の関係者は、失敗しない買い物として「まずはじっくり観察し、自分の手で触れること」を挙げる。陶磁器なら高台(器の底)の土の質味や時代に伴うスレ、箱書きの筆致、手に持ったときの重厚感など、五感をフルに使って確かめることが目利きの第一歩となる。
そして最高の戦利品をGETするための秘訣は、店主との対話を楽しむ心構えだ。ブースに佇む店主たちは、その品物がどこからやって来てどんな時代を潜り抜けてきたかを知る語り部である。「この器の見どころはどこですか?」と素直に尋ねてみるだけで、図鑑には載っていない裏話や、場合によっては「持って行ってよ」と値引き交渉に応じてくれることもある。対話こそが最強のツールだ。