企画展の初日や週末の午後はどうしても人の波が押し寄せる。そこで実践したいのが、展示室を巡る順番を少し工夫した「逆引きルート」だ。多くの来館者が順路通りに最初の大型絵画へ群がる時間帯、あえて奥に位置する彫刻展示室や小品ギャラリーから足を運んでみる。驚くほど静まり返った空間で、独り占めするように鑑賞できる瞬間が生まれる。
午前中の開館直後、あるいは閉館の1時間半前も狙い目だ。特に夕景が差し込む時間帯は、館内のスリット窓から差し込む斜光が展示室前のロビーに美しい影を描き出し、作品鑑賞の余韻を格別に引き立ててくれる。音声ガイドの活用はもちろん、展示室のベンチに腰を落ち着けて視野全体で作品空間を捉え直すことも、通が教える隠れた楽しみ方の一つだ。