酒井高聖さんが現役引退を発表したのは、2018年1月のことでした。アルビレックス新潟の育成組織(U-18)でキャプテンを務め、トップ昇格を果たしてからわずか数年、21歳という早すぎる幕引きに、多くのサッカーファンが驚きを隠せませんでした。
引退の背景には、怪我や戦力外通告といったネガティブな理由だけではなく、「自分の人生を真剣に見つめ直した上での前向きな決断」がありました。ユース時代から兄たちと比較される重圧と戦い続け、プロの過酷な競争に身を置く中で、彼は「自分が本当に生涯をかけて情熱を注げるものは何か」を自問自答したといいます。
その答えが、子どもの頃からサッカーと同じくらい大好きだった「料理」でした。「中途半端な気持ちでプロの世界に居続けるのではなく、新しい夢に全精力を注ぎたい」という強い覚悟を持っていたからこそ、未練を残さずにスパイクを脱ぐ決断が下されました。