手術成功率100パーセント。その完璧な実績とは裏腹に、彼は「オペ室の悪魔」と恐れられた。同僚医師のミスを冷ややかに見つめ、巨額の退職金を要求しては執刀を引き継ぐ。一見すると非情極まりない拝金主義者だが、その行動原理の根底にあったのは、組織の保身によって患者の命が軽視されることへの激しい怒りだった。
助けられる命を救う。言葉にすれば陳腐なその信念を貫くため、彼はあえて悪役に身をやつした。失敗が許されない極限状況で発揮される神業は、天賦の才というよりも、狂気じみた鍛錬と覚悟の結晶に他ならない。生半可な理想論を粉砕し、事実だけで語るそのスタンスが、視聴者の胸を衝いた。