WebコミュニティやSNS、知恵袋などの飼い主コミュニティでは、マラセチア性外耳炎に関する切実な体験談が日常的に寄せられています。
「毎週通院して耳掃除をしてもらっているのに、梅雨時や夏になると決まって耳が真っ赤になって悪臭が戻る」「夜中に耳を掻くパタパタという音で愛犬も自分も眠れない」といった、再発に悩む生の声は枚挙にいとまがありません。
動物病院の臨床現場を取材する獣医師らは、飼い主の行動パターンに関して次のような重要な傾向を指摘しています。
「診察室で多くの飼い主様が『毎日綿棒で耳垢を綺麗に拭き取っています』とおっしゃいますが、耳鏡で見ると外耳道の奥に耳垢が押し込まれ、粘膜が真っ赤にただれて出血寸前になっているケースが非常に多いです。綺麗にしてあげたいという愛情が、皮肉にも症状を悪化させてしまっています」(獣医皮膚科学会所属の獣医師談)
現場の実態調査から浮かび上がるのは、「飼い主の良心的な過剰ケア」が治癒を妨げているという皮肉な現実です。耳を清潔に保つことと、耳道を擦ることは同義ではありません。