物語後半、あすなろ会を最大の悲劇が襲います。資産家の御曹司であり、誰よりも繊細な心を持っていた松岡純一郎(西島秀俊)の突然の死です。
ネット上でも長年議論されている「松岡の事故理由」ですが、その背景には深い実存的苦悩がありました。松岡は掛居に対して誰にも言えない同性愛の感情を抱いており、自らのアイデンティティと将来に激しく葛藤していました。その孤独の中で、自分を優しく受け止めてくれた東山星香(鈴木杏樹)と一度だけ肉体関係を持ち、星香は松岡の子を身ごもります。
自らの生き方と向き合い、仲間たちとの未来を紡ごうと車を走らせていた矢先、ハンドル操作を誤ってガードレールに激突。ドラマ第8話で描かれたこの自動車事故により、松岡は星香のお腹に宿る我が子の顔を見ることなく、短い生涯を閉じました。仲間たちの精神的支柱だった松岡の死は、あすなろ会の空中分解を決定づける契機となります。
その後、大学を卒業したメンバーはそれぞれの道を歩みます。掛居と別れたなるみは、就職先で出会った大人の男性・秋庭(岩城滉一)からプロポーズを受け、結婚寸前まで進んでいました。しかし、心の中に眠る掛居への想いを完全に消し去ることはできませんでした。
最終回において、なるみは自らの意志で秋庭との婚約を解消。星香が女手一つで育てる松岡の忘れ形見を囲んで数年ぶりに再会したあすなろ会の面々。海外留学から一時帰国した取手は、なるみの背中を優しく押し、掛居の元へ向かわせます。京都で環境問題の仕事に従事していた掛居を追いかけ、駅のホームを走るなるみ。互いの深い愛を再確認した二人は強く抱き合い、運命の赤い糸を結び直すという感動のハッピーエンドで幕を閉じました。