大川咲也加という人物の最大の強みは、映画の骨格となるストーリーラインと、感情を直接揺さぶるメロディラインを同一の感性で紡ぎ出せる点にある。脚本家としての緻密なロジックと、作詞家・音楽家としての直感的なリリシズムが同居しているのだ。台本執筆時にすでに劇伴のコード進行や主題歌のサビがイメージされているケースも少なくない。
彼女が手がける楽曲は、クラシカルな重厚さと現代的なポップネスが奇妙な調和を見せる。登場人物の心理描写がそのまま旋律となり、映画のクライマックスで爆発的なカタルシスをもたらす。この映画と音楽の融合こそが、コアなファンを惹きつけてやまない独自の作家性といえる。