なぜ茶葉で錠剤を服用してはならないのか。その最大の理由は、お茶に含まれる代表的な化学成分であるカフェインとタンニン(カテキン類を含むポリフェノール)の存在にある。これらは単体では健康維持に寄与する成分だが、医薬品と出合うことで牙をむく。
胃の中でタンニンが放出されると、特定の金属元素やタンパク質構造と強力に結合し、難溶性の「キレート」と呼ばれる錯体を形成する。この巨大化した分子構造は小腸の粘膜細胞を通過できず、便としてそのまま排出されてしまうのだ。結果として、本来消化管から血中へと移動すべき薬の有効成分がほとんど体内に取り込まれなくなる。
一方で、カフェインは中枢神経系を激しく刺激する作用を持つ。過剰な興奮や心拍数の急上昇をもたらすため、精神安定剤や気管支拡張剤と同時に体内へ入ると、効果が過剰に増幅されて激しい動悸や不眠、頭痛を引き起こす。現場の薬剤師は「緑茶は単なる飲み物ではなく、薬理作用を持つ化学溶液の一種として捉えるべきだ」と警告する。