今回、本誌は楽屋の裏側にカメラとマイクを持ち込み、普段はカメラに見せない芸人たちの素顔を密着取材した。華やかなステージの出番直前、舞台袖で緊張した面持ちでネタの微調整を重ねる若手たちの姿があった。ある若手コンビは「沖縄の言葉や感覚は独特だからこそ、ただ使うだけでは本土で通じない。どう翻訳して笑いに変えるかを毎日泥臭く研究している」と語る。
彼らの背景にあるのは、沖縄の伝統的な民俗芸能や戦後の沖縄喜劇から連綿と続く「ウチナーお笑い」のDNAだ。かつて厳しい時代を笑いで吹き飛ばしてきた先人たちの精神は、現代の琉球漫才にも色濃く受け継がれている。自己犠牲的な自虐ではなく、どんな困難もチャンプルー(混ぜ合わせる)して笑い飛ばす包容力。テレビの画面越しでは伝わりきらない圧倒的な生々しさと温かさが、彼らの楽屋話からも溢れ出していた。